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グラフ
細菌性食中毒の検査<その1>—食中毒菌の集落性状と確認培養
著者: 善養寺浩1 坂井千三1
所属機関: 1東京都立衛生研究所細菌部
ページ範囲:P.382 - P.383
文献購入ページに移動 急性(胃)腸炎を主徴とする食中毒の起因菌には,病原性も確認されており,原因となるひん度も高い菌だけでも5菌種ある.このすべての原因性をつねに考慮して,同時に並行して検索することを,食中毒の検査では強く要求されるので,各菌に対する選択培地の選び方,発生集落の観察が検索の上で大きなウエイトを占めてくるし,また,確認培養のための鑑別培地の選び方も重要な意義をもつ,こうした点を考慮して,表1(グラフページ参照)に各病原菌に対しもっとも適した選択培地をあげておいた.これだけの培地を併用すればすべての食中毒菌は検出可能である.
食中毒菌の検索にあたって,もう一つ重要なことは赤痢菌の検出である.赤痢は3日前後の潜伏期で発病するものであるが,食品内に増殖した大量の菌を摂取すると,嘔吐,下痢を主徴とし,12時間程度の潜伏期で,急性小腸炎型の腸炎を起こし,食中毒との臨床鑑別が難しいことがしばしばある.赤痢菌を含めて,集落性状の特徴,確認培養性状のポイントを紹介したい.
食中毒菌の検索にあたって,もう一つ重要なことは赤痢菌の検出である.赤痢は3日前後の潜伏期で発病するものであるが,食品内に増殖した大量の菌を摂取すると,嘔吐,下痢を主徴とし,12時間程度の潜伏期で,急性小腸炎型の腸炎を起こし,食中毒との臨床鑑別が難しいことがしばしばある.赤痢菌を含めて,集落性状の特徴,確認培養性状のポイントを紹介したい.
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