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細菌性食中毒の検査<その2>—検査の順序
著者: 善養寺浩1 坂井千三1
所属機関: 1東京都立衛生研究所細菌部
ページ範囲:P.385 - P.392
文献購入ページに移動 食中毒事件の中で,細菌性食中毒の占める比率は80%を越え,また,食中毒菌による散発下痢患老は,統計上の患者数の10倍以上にも上るであろう。このように多数の患者発生をみている食中毒も,下表のごとく,起因菌の種類は決して多くない。よく腐ったものは食中毒を起こすといわれる。しかし,腐敗菌を多量に摂取しても下痢は起こらない。つまり,腐敗と食中毒とは別であって,原因の検査は下表の菌を対象に進めればよい。もちろん,これ以外に食中毒原性のあるといわれる菌にBacillus cereusやAeromonas shigelloidesなどがあるし,まだほかに未知病原菌もあろうが,少なくとも下表の食中毒菌を確実に検査しうる検査法が要求される。ただ一般的には,ボツリヌス食中毒は別に考えてよかろう。食中毒原因検査にあたっては,推定原因食からの菌の検出,発病率と菌の検出率,菌型の統一性が重視される。
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