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文献詳細

雑誌文献

臨床検査11巻6号

1967年06月発行

文献概要

入門講座 血液

網赤血球算定法

著者: 寺田秀夫1

所属機関: 1昭和大医学部臨床病理

ページ範囲:P.441 - P.441

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 網赤血球(Reticulocyte)は幼若赤血球の一種で,ブリラントクリシル青,ニューメチレン青などの染色液で染色すると,細胞質内に青緑色に染まる網状構造(Substantia reticulofilamentosa)がみとめられる。これは細胞質内に残存したリボ核酸(RNA)を含むミクロゾーム(microsome)である。
 網赤血球は成熟赤血球よりもやや大きく,1〜2日で正常赤血球になるといわれる。健康成人の網赤血球の正常値は10%前後とされているが,胎児では50%以上にも達することあり,生後5日以内の新生児では2〜6%といずれも成人にくらべて多いが,その後急速に成人の値に近づく。網球は骨髄内にpoolがあり,大部分が骨髄のなかにあり,その数は大体有核赤血球総数に等しいとされ,血球補給の需要に応じて急速に末梢血中に増量する。これを網赤血球分利(reticulocyte crisis)と呼び,血液病の診断や治療効果の判定に役立つ。また網赤血球の比重は成熟赤血球のそれよりも低いので赤血球懸濁液の上層部に集まる傾向があり,この性質を利用し重層遠心分離法により網球のみを集めることが可能である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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