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文献詳細

雑誌文献

臨床検査12巻1号

1968年01月発行

文献概要

入門講座 生化学

光を用いる分析

著者: 小延鑑一1

所属機関: 1京都大学付属病院中央検査部

ページ範囲:P.47 - P.47

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 光は電磁波の一種であり,その中で目に見えるため可視光線と呼ばれている。これは電磁波の中では4000A(400mμ)から8000A (800mμ)の波長である(図1)。この電磁波が物質の層を通過するとき,その物質の分子構造により(1)電子遷移(主に紫外と可視),(2)分子振動(主に赤外),(3)分子廻転(主に遠赤外とラマンスペクトル)などに帰因する電磁波のエネルギーの吸収がおきる。このエネルギーの吸収を分析に応用したのが比色分析や紫外および赤外吸収分光光度法と呼ばれている吸光分析である。
 一方これとは逆に物質のもつエネルギーが光となって放射される場合もあり,これを利用したのが焔光分析や螢光分析と呼ばれる発光分析法である。臨床化学分析法はこれら吸光,焔光,螢光などの光の性質を利用した分析によるものが多く,その中でも最も利用されているのが比色分析といわれる吸光分析法である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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