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文献詳細

雑誌文献

臨床検査12巻1号

1968年01月発行

文献概要

研究

尿路感染症診断における尿中菌数と尿蛋白,潜血及びpHの関係について

著者: 高屋豪瑩1 高木暁子2 小本優子2

所属機関: 1熊本大学医学部附属衛生検査技師学校 2熊本大学医学部附属病院中央検査部

ページ範囲:P.70 - P.72

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はじめに
 尿路感染症の診断に尿中細菌の定量は重要な因子を占めている。その尿細菌を培養する際,尿路細菌叢に存在する常在菌や採尿時混入する雑菌に注意しながら尿細菌定量を行なうならばこの定量は尿路感染症の診断及び治療の一指標となろう1)。ところで尿中細菌の細菌定量培養法はMarple(1941)2)によって始められ,Kass(1956)3)らが定量培養法を再認識して以来,原因菌と常在及び混入雑菌との鑑別がかなり以前よりできるようになって,現在腎盂腎炎その他の尿路感染症の細菌学的診断手技として頻用されている。しかしこの方法は未だ煩雑で,しかも高価な滅菌装置を必要とするため,一般医家には普及されていない。
 そこでSimonsとWilliams(1962)4)は簡便な尿中細菌定量法として,Wundt(1950)5)が2,3,5-Triphenyltetrazolium-Chloride(以下TTCと略)を細菌の呼吸作用と関係あることを報告してこれを考案したものが尿路感染症の良好なroutine screening testとなりうることを報告している。このTTCを主成分とするUrocheckと細菌定量培養法6)を平行して行い,更に細菌同定も行なった。その上尿蛋白,糖,潜血,pH等がこれらの尿細菌数との間にいかなる関係があるかを検討し,興味ある結果をえたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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