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文献詳細

雑誌文献

臨床検査12巻10号

1968年10月発行

文献概要

技術解説

ウイルス性疾患の臨床検査(1)

著者: 中村正夫1 西内道明1

所属機関: 1国立東京第一病院研究検査科

ページ範囲:P.721 - P.726

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はじめに
 わが国においても,最近,臨床ウイルス検査は著しく進歩したが,病院などで一般臨床検査として行なうには,なお多くの問題点が残されている。このことについては,のちにまた述べたいと思うが,一方では,ウイルス検査方法の進歩が,これらの障害をすこしずつ解決しつつあり,その重要性は今後さらに増すことと思われる。
 ウイルス性疾患には,特徴のある症状を現わすために,臨床的診断が容易なものもあるが,無菌性髄膜炎,感冒様疾患,ある種の発疹性疾患など,ウイルス検査によってはじめてその原因が明らかになるものも多い。現在,ウイルス検査は一般に早期診断がむずかしく,また,化学療法その他特別の治療法を行なえないものが多いので,その結果が直接患者に利用されることが少ない。このような理由で,その意義は一般ルーチン検査とはやや異なっている面がある。しかし病因を明らかにすることは臨床医学の進歩のためのみならず,疫学・予防医学方面にもきわめて重要なことであり,ウィルス検査の必要性もそれだけ大きいと考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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