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入門講座 血清
梅毒の血清学的検査法Ⅰ—ガラス板法
著者: 松橋直1
所属機関: 1東大医学部血清学
ページ範囲:P.194 - P.194
文献購入ページに移動 梅毒の血清学的検査法には,カルジオライピン・レシチン抗原のような脂質をもちいるものと,梅毒病原体であるTreponema Pallidum (TP)をもちいるものとがある。カルジオライピンは動植物の細胞のミトコンドリアに含まれ代謝に重要な役割を演ずる物質であるが,TP中にも含まれ,梅毒にかかると,カルジオライピン(Cardiolipin略CL)に対する抗体ができる。この抗体はCLとレシチン(Lecithin略Lec)とを適当な比較に混合した抗原と反応する。したがって,CL・Lec混合液が梅毒の診断にもちいられる。ところが,CL-Lecは動植物に広く分布する物質であるから,これに対する抗体は梅毒以外のときにも産生される。しかし,その頻度は,梅毒がほぼ100%であるのに比べてずっと低い(5〜40%)ので,CL-Lecを抗原とした反応で陽性なときは,梅毒が最も疑われる疾患である。
CL-Lec抗原による検査法には凝集反応系統のものとして,ガラス板法,梅毒凝集法などがあり,補体結合反応では緒方法,Kolmer法などがある。TP抗原をもちいるものには,FTA, TPHA, TPI試験などがある。
CL-Lec抗原による検査法には凝集反応系統のものとして,ガラス板法,梅毒凝集法などがあり,補体結合反応では緒方法,Kolmer法などがある。TP抗原をもちいるものには,FTA, TPHA, TPI試験などがある。
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