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文献詳細

雑誌文献

臨床検査12巻4号

1968年04月発行

文献概要

講座 病理学総論(その2)

細胞と器官

著者: 渡辺恒彦1

所属機関: 1東京逓信病院病理

ページ範囲:P.265 - P.268

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細胞,特に器官における細胞の意味について
 細胞が生物のもっとも微小な単位であることは現在では小学生でも知っている。その細胞が核と細胞体からできていて,いろいろの形の物質代謝をおこなっていることももはや常識である。しかしこの細胞と,細胞が集まってでぎている組織あるいは器官,ひいては個体そのものとの関係については,専門家にとってさえきわめてむつかしい問題であろ。
 大ていの組織学の教科書には,細胞が集まったものが組織であり,その組織が更に一つの機能単位としてまとまったものが器官である,といったふうに述べてあるがもちろんそれはそれで正しいと思う。要はこうした説明の仕方で,個々の症例の細胞や器官のすがたを具体的に生ま生ましく理解できるかどうかということだ。わたしの経験からいえば,それはなかなか困難なことであった。細胞についての知識をたくわえ,それから組織,器官,個体と考えようとしても,いつまでたってもその関係が具体的につかめなかったことを思い出す。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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