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文献詳細

雑誌文献

臨床検査12巻5号

1968年05月発行

文献概要

入門講座 細菌

指示薬の概念と細菌学領域におけるその利用そのⅢ—細菌学領域におけるpH指示薬の応用例

著者: 橋本雅一1

所属機関: 1東京医科歯科大医学部微生物学

ページ範囲:P.352 - P.352

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1.培地pHの調整
 正確には電気的方法(pH meter)を使うか,比色計(comparator)を用いるが,特別な場合を除いて培地の調整にはふつう±0.2pH単位の誤差が許されるので,pH試験紙で十分間に合う。しかし,目的とする培地のpHいかんによって,そのpHで最も鋭敏に反応する変色域をもつ指示薬を選択することが必要である。たとえば,培地のpHを7.2〜7.4に調整したいときには,標準表でこの部分が変色域のほぼ中央に位置しているBTBを用いるべきであるし,pH8.0〜8.2に合わせたいときには,この部分が中央部にあるPRが用いられることとなる。この場合,pHの測定には外部指示法を用いるのが原則である。すなわち,適当なpH試験紙の小片をきれいにぬぐったピンセットでつまみ,取出した培地液の少量をこの小片につけて濡らし,しばらくしてからその色調の変化を標準比色表の色調と比較する。
 培地の多くは調整前では酸性(6.0〜6.4)なので,アルカリ性にするには10%炭酸ナトリウム水溶液を少しずつ加えて,pHの変動を観察しながら所要のpHに調整する。なお,酸性にするには工0%酢酸水溶液を用いる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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