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文献詳細

雑誌文献

臨床検査12巻8号

1968年08月発行

文献概要

私の経験

P.V.P.製剤による末吉法の偽陽性例について

著者: 青木哲雄1

所属機関: 1常滑市民病院

ページ範囲:P.577 - P.577

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 治療薬の進歩は日ざましいものがあるが,これら薬剤が臨床検査に及ぼす影響も見のがせない問題となってきている。
 当院に入院中の患者2名の尿をコンビステックス法で行なうと,弱陽性またはtraceであるのに,末吉法で行なうと2%にも相当する沈殿物が認められる例を経験し,いろいろ検討した結果,ポリビニール・ピロリドン製剤(商品名……ペレストンN)によるものであることを確認した。この患者尿を用いてスルポサリチル酸法,煮沸法,Exton法,Esbach法などを行なっても,すべて弱陽性またはtrace(この患者は腎疾患があるため尿中蛋白は微量だが認められる)であり,さらにこの多量の沈殿物が含窒素成分でないことを確認するため,Kjeldahl-Nessler法で定量を行なったが,それに相当する量は認められず,一方,尿を透折濃縮して電気泳動を行なってみたが,腎疾患からくるアルブミンをわずかに認めたのみであった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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