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文献詳細

雑誌文献

臨床検査12巻8号

1968年08月発行

文献概要

入門講座 血液

LE細胞試験

著者: 寺田秀夫1

所属機関: 1昭大臨床病理

ページ範囲:P.580 - P.580

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 全身性紅斑性狼瘡(Systemic lupus erythematosus:SLE)を始めとする膠原病の場合に,採血後,血液をしばらく室温または37℃に放置しておくと,末梢血の好中球の細胞質のなかにギームザまたはライト染色により均一無構造な円形封入体が見られ,そのため細胞核が周辺部に圧排されている像が出現する。このような細胞をLE細胞,LE細胞の出現することをLE現象と呼んでいる。このLE現象はふつう,生体内では観察されず,したがって患者血液の直接塗抹標本では細胞はみられず,試験管内で観察される現象である。
 LE現象の起こり方まず患者血清のなかにγ—グロブリンに属するLE因子があり,これが主として好中球に働いて,その核物質と結合しこれを均一無構造の封入体(LE体)とする。このLE体は血漿中に出て新しい喰細胞がこれを喰食し,LE細胞が形成されるのである。したがってLE現象陽性の標本にはLE体,LE細胞,LE体をとりかこんだ喰細胞の集団(花冠状集合,ロゼット形成)などが見られる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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