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文献詳細

雑誌文献

臨床検査12巻8号

1968年08月発行

入門講座 生理

血液ガス分析

著者: 白石透1

所属機関: 1東大中央診療部

ページ範囲:P.584 - P.584

文献概要

 血液に含まれているO2量,CO2量を知ることは,生理的検査室ではたいへん重要なことであります。生体のいろいろな部分で,消費されるO2量,産生されるCO2量と,その部分を流れる血流量とは必ずしも比例しませんので,静脈血中に含まれているO2,CO2量もさまざまであり,静脈血の分析は,意味のあることは少ないのです。肺でのガス交換がうまくいっているかどうかは,動脈血分析で知ることができます。肺で動脈血化された血液は,肺静脈を通り,右心室にはいり,ここで完全に混合されますので,体中どこでも動脈を穿刺して採血すれば同じ量のCO2,O2が含まれています。また,肺動脈の中に細いカテーテルを入れて,混合静脈血を採り,動脈血一混合静脈間のO2含有量の差と,酸素消費量すなわち肺におけるO2の摂取の量を知れば,Fickの法則によって,肺を流れる血液量つまり心拍出量を知ることができ,また心内での種々の場所でのO2含量をしらべて,心内短絡の診断にも使われます。このように血液ガス分析は,肺機能検査室,および心臓カテーテル検査室にとって欠くことのできないものとなっていますので,生理の部門でとり上げました。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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