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文献詳細

雑誌文献

臨床検査13巻10号

1969年10月発行

文献概要

代謝経路と臨床検査・10

ヘム(テトラピロル化合物)の合成と分解

著者: 松村義寛1

所属機関: 1東女医大・生化学

ページ範囲:P.828 - P.829

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 呼吸,生体酸化に関係する複合タンパクにはヘモグロビン,ミオグロビン,チトクロムなどがあっていずれもヘムを含有している.ヘムはグリシンとコハク酸から合成されたプロトポルフィリンに2価の鉄が結合したものであるが,ヘムにタンパクが複合すればヘモグロビンを生ずる.分解経路ではヘム部分から鉄を失ってビリルビンとなり,胆汁中に出現する,腸管内ではウロビリノーゲンとなり,再吸収を受け,部分的に尿中にも排泄される.ヘモグリビン,ウロビリノーゲン,ポルフィリンは造血機能,胆道の通過障害,肝の解毒機能などの異常を知るための手がかりとして,臨床検査の対象となっている.
 図にはヒト成人ヘモグロビンの構成要素であるα-,β-鎖の1次構造を示し,なお3次構造におけるヘムの位置を画いたものを戴せておく.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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