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文献詳細

雑誌文献

臨床検査13巻10号

1969年10月発行

文献概要

論壇

検査技師の座席

著者: 橋本敬祐1

所属機関: 1順大・病理

ページ範囲:P.872 - P.873

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 本文で座席という意味は指定席の意味であるが,劇場などの予約席ではない.劇場では舞台をみたり音楽を聴くのに好都合な程度にしたがって,席番号とは別個の順序で等級がついてしまう.舞台に近い席は確実によい席だし,天井桟敷ではムードを味わうだけになってしまう.しかし東海道新幹線の指定席ならば,どの席に座っても新大阪に着く時間は同じことである.
 実はこれから考えてみようというのは,病院という病人の診療を目的とした施設内で臨床検査技師が占めるはずの座席,つまり病院の機能と人的構成のなかで果たすはずの役割を,目的意識を中心にして考えてみたいのである.この場合たいせつなのは,病院というもの全体が,もっと広くいえば医療体系の全体が,ただひとつの目標を明らかに保持していて,その体系のうらに含まれる全職員は,職種に由来する仕事上の相異がどれほど大きくあろうとも,ちょうど列車のどの座席を選んだにしても,結局は同じ時間に,同じ目的地に着くという一体感の認識である.つまり病院が1つの職場という感覚である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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