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1ページの知識 病理
細胞診断について
著者: 川井一男1
所属機関: 1国立大阪病院研究検査部
ページ範囲:P.959 - P.959
文献購入ページに移動 癌の確診は組織診断によるのが決定的であることはいうまでもないが,組織検査材料は癌が体表にあるか,あるいは体表から到達しやすい位置にある場合には比較的容易に採取できるが,体の深部ことに内臓に発生した場合には必ずしも採りやすいとは限らない.また,組織採取が癌組織に的中しなければ,癌がありながら確認できないことになる.これらの欠点を補って,癌組織から剥落した癌細胞を塗抹標本によって診断できることの科学的な証明は,1941年PapanicolaouとTrautの子宮癌の細胞診断に関する発表が最初である.このような癌診断方式を細胞診断あるいは細胞診(Cytological Diagnosis;Cytodiagnosis)と呼んでいる.
従来から行なわれてきたギムザ染色による塗抹法に比して,パパニコローの方法は多くの画期的な特徴をもっていたため,全世界の注目を浴びるにいたり,その応用範囲も拡大されて,今では細胞診断といえばほとんどパパニコロー法を指すようになった(略してPap法と呼ぶ人もあるが,組織検査のPap染色法と混同されやすいので注意きれたい).
従来から行なわれてきたギムザ染色による塗抹法に比して,パパニコローの方法は多くの画期的な特徴をもっていたため,全世界の注目を浴びるにいたり,その応用範囲も拡大されて,今では細胞診断といえばほとんどパパニコロー法を指すようになった(略してPap法と呼ぶ人もあるが,組織検査のPap染色法と混同されやすいので注意きれたい).
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