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文献詳細

雑誌文献

臨床検査13巻11号

1969年11月発行

文献概要

研究

硝酸ソーダ溶液,食塩水浮遊法による寄生虫卵検出率について

著者: 松原明1

所属機関: 1相生保健所

ページ範囲:P.985 - P.986

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まえがき
 寄生虫卵の集卵検査法中,最も広く用いられ操作が簡便であるのが,比重により便塊より浮上させて集卵する浮遊法である.浮遊に用いられる液は,食塩,硫マ,硫酸亜鉛,重クロム酸ソーダなどの塩類および庶糖の溶液であるが,家畜臨床の寄生虫検査において,広く用いられているのが,飽和硝酸ソーダ溶液1)である.人類寄生虫検査法において,まだ硝酸ソーダ浮遊法の記載は見あたらないが,筆者の示唆により西村2)の報告が生まれた.
 それによれば,飽和硝酸ソーダ液(比重1.4)は全般的に飽和食塩水(比重1.2)よりも虫卵浮上率はよいが比重1.3の浮遊液とは大差はない.虫卵浮上率が差がなければ,浮遊液の比重の軽いほうが,滲透圧による虫卵の変形や,便の夾雑物の浮上を防ぐために望ましいことはいうまでもない.では浮遊液の比重はどのくらいがよいかというと,松崎は1.27を推奨し,大島3)は1.23で最も重い回虫不受精卵を浮上させるのに十分であると述べている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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