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先天性代謝異常の検査法
著者: 北川照男1 深津信子2
所属機関: 1慈恵医大・小児科 2慈恵医大小児科教室
ページ範囲:P.121 - P.127
文献購入ページに移動数多くの先天性代謝異常症のなかの一部の疾患,たとえばフェニールケトン尿症,楓糖尿症,チロジン症,ガラクトース血症,果糖不耐症,ビタミンB6依存症候群,副腎性器症候群,ウイルソン病などは,症状が発現するまえに診断して早期に治療すれば,症状の発現を阻止することができる.したがって,症状による診断ではなく,本症は臨床検査のみによって診断しなければならないことが多い.また,このような疾患の1つ1つの発生頻度は,きわめて低く,数万の出生に対して1人というようなまれな疾患であり,このようなまれな疾患を,症状に頼らずに診断するとなると,いわゆるmass screeningによって疾患の発見を行なわなければならない.
これまで,先天性代謝異常症のスクリーニング法としては,フェニールケトン尿症の診断に関するものが最も多く開発されてきた.しかし,数多くの先天性代謝異常症を同時にスクリーニングできるような方法が開発されることが,発生頻度の少ない多くの代謝異常症を発見するうえには必要であり,方法が簡単で,信頼度の高い検査法を採用することが必要である.
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