文献詳細
文献概要
1ページの知識 血清
遊出
著者: 安田純一1
所属機関: 1阪大・微生物病研究所
ページ範囲:P.239 - P.239
文献購入ページに移動1.遊出のしかた
抗血清を吸収した抗原から抗体を,ふたたび遊離させる操作を遊出(elution)という.吸収試験によって抗体価が下がっただけでは満足せず,吸収の際に抗原に結合された抗体を実際に取り出してきて,抗源抗体反応の特異性をさらに具体的に検討しようというのが,そのねらいである.加温によって抗体を抗原からはなすLandsteiner以来の方法が広く用いられている.
まず,吸収に使った抗原を食塩水で2-3回よく洗う.加える食塩水の量は多いほうがよい.念のため,最終回の上清ちゅうに抗体が証明されないことを確認しておく.それから,沈殿に少量(0.5-1.0ml)の食塩水を加えて再浮遊させ,試験管を56℃の湯ぶねに5-10分間浸しであたため,すばやく遠心して上清を分離する.このとき,食塩水の量があまり少ないと遠心しても上清が採れない.多すぎると,それだけ抗体が薄められて検出しにくくなる.
抗血清を吸収した抗原から抗体を,ふたたび遊離させる操作を遊出(elution)という.吸収試験によって抗体価が下がっただけでは満足せず,吸収の際に抗原に結合された抗体を実際に取り出してきて,抗源抗体反応の特異性をさらに具体的に検討しようというのが,そのねらいである.加温によって抗体を抗原からはなすLandsteiner以来の方法が広く用いられている.
まず,吸収に使った抗原を食塩水で2-3回よく洗う.加える食塩水の量は多いほうがよい.念のため,最終回の上清ちゅうに抗体が証明されないことを確認しておく.それから,沈殿に少量(0.5-1.0ml)の食塩水を加えて再浮遊させ,試験管を56℃の湯ぶねに5-10分間浸しであたため,すばやく遠心して上清を分離する.このとき,食塩水の量があまり少ないと遠心しても上清が採れない.多すぎると,それだけ抗体が薄められて検出しにくくなる.
掲載誌情報