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文献詳細

雑誌文献

臨床検査13巻3号

1969年03月発行

文献概要

1ページの知識 細菌

普通寒天にはえる病原菌(1)

著者: 木村貞夫1

所属機関: 1栃木衛研所

ページ範囲:P.240 - P.240

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病原ブドウ球菌の検査同定
 細菌は,形態のみではなかなか同定がむずかしいことについては,前回までに述べた.そこで,細菌の同定を正確に行なうには,どうしても培養が必要になる.先人の努力によって,現在,病原菌のなかで人工的に培養できないものはらい菌だけであるが,培養にはいろいろの問題がある.
 われわれが,そこから細菌を培養しようとする材料(糞便・喀痰・尿・膿・血液など)には,多くはいくつかの菌がいる.このいくつかの菌のうち,われわれの目的とする菌のみを取り出したい(分離培養)し,その菌のみを純粋に培養したい(純培養).そうすることによってはじめて,その菌の性質を調べ同定することができる.このためには,液体で培養するよりも固形のものの上で培養することのほうがよいことはもちるんである.これには,コッホー派によって開発された賦形剤として寒天を用い,これに肉汁浸出液を含ませたもの(普通寒天培地)の上に培養する方法が一般的である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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