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研究
血中遊離脂肪酸の比色定量法(板谷・宇井法)の検討
著者: 橋本一夫1 林訓子1 伊藤忠一1
所属機関: 1東北大付属病院中央検査部
ページ範囲:P.262 - P.264
文献購入ページに移動血清中の遊離脂肪酸(FFA)は,他の脂質成分に比較して量的にはきわめて少ないが,その代謝的動向は,生化学的な研究面だけでなく臨床的にもその意義が高く評価されるようになり,臨床検査の分野においても,FFA測定のルーチン化が強く要望されている.
従来,血中FFAの定量にはDole法1)が広く用いられているが,この方法はルーチン検査としては大量の試料を要し,測定に時間がかかり,終末点の識別に注意と経験を要する.さらにAyers2),岩山3),Duncombe4,5)らはFFAの銅およびコバルト塩が,有機溶媒中に移行することを利用した鋭敏な比色法を報告しているが,これらの方法も,アルブミンと結合しているFFAを抽出するために長い振盪時間を要し,特に血清中のレチシンが有機溶媒中に転溶して類似の発色を与えるため測定に誤差を生じやすい.
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