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文献概要
ひろば
Original deviceを書く
著者: 村田徳治郎1
所属機関: 1慈生会ベトレヘム病院臨床検査科
ページ範囲:P.387 - P.387
文献購入ページに移動 仕事に夢中になっている時ほど,また追われている際これはと思うような考えが閃めくものである.そのような一瞬,メモなり何なりにキャッチライティングしておくと,思わぬ技術的収穫ともなり,またヒントになるものであるが,とかくこのような時にかぎって種々な理由があるにしても,不用意にもせっかくの機会を失いがちにしてしまう.後からなどといっても,多忙な時間なので忘れがちとなり,私どもはちょっとの間に貴重なOriginal deviceを日日おろそかにしてはいないだろうか.日々休むことなく刻々進歩する技術水準―私は無限の広さと大きさに眩暈する.これを生み育成した先人の汗と血の出るような努力に武者ぶるいせずにいられない.なぜならこの内にある技術的創意性とくふうの平衝が巧みに妙を得ていることである.しかしこれらは,さらにわれわれの知恵でもっと進歩させねばならぬ義務があるのではあるまいか,その意味において,日々のどんな小さなことにも敏感に反応し,またそれを生かす蓄積が必要であろう.結局どんなことでも,ちょっとした創意くふうが小さなメモ帳から生まれることは珍しいことではない.むしろその時を出発点とし,大きなOriginal researchとして発展していくと同時に,真の技術的向上になってはいまいか."白衣のポケットには常にメモ帳を"これは私のモットーである.書くということの面倒をどうしてもこの際克服することが条件であるが,しかし書くという習慣を身につけてしまうと,どんな多忙の間にも書く技術を会得できるもので,またこれを整理するのが楽しみとなるものである.そしてそれが自分の修練ともなるし技術の積み重ねともなり,検査業務に応用し使用して,自分の技術を生かすことになるのではあるまいか.そして同時に,広く批判評価を積極的に求めたらどうであろうか.そのようなことに本誌のごとき専門機関を利用・使用させてもらおうではないか.小さなくふうから大きな発明ということもあるように,お互い検査技術をおし進める仲間として琢磨していこうではないか.
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