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1ページの知識 細菌
腸内細菌科の菌(3)
著者: 木村貞夫1
所属機関: 1栃木県衛生研究所
ページ範囲:P.590 - P.590
文献購入ページに移動確認同定のための検査
前号でのべた乳糖非分解の菌について,さらに確認同定のための検査をすすめるわけであるが,これには,生化学的性状の検査と血清学的性状の検査がある.腸内細菌科の菌の生化学性状の検査は,ほかの菌にくらべ精細をきわめ大きく分けて(1)糖分解,(2) IMViC系の検査,(3)硫化水素産生能,(4)チトクロームオキシダーゼの有無,(5)尿素分解,(6)フェニールアラニンデアミナーゼの有無,(7)アミノ酸脱炭酸酵素の有無,(9) KCN利用能,(10)ゼラチン液化能などがある.これらのすべてを行なうことは,一般の検査室ではできないし,また前々号でのべたKauffmann分類の14のGenusのどれかまできめるためには上記の検査が必要であるが,大まかな分類を行なうには必要ではない.たいていは,上記の(1)—(3)時に(4)—(7)を行なうだけで十分である.糖分解で重要な糖は,ブドウ糖,乳糖,白糖,マンニットの4つであり,これでだいたいの目的は達せられる.実際に検査を行なうには,疑わしい集落をTSI寒天培地,SIM寒天培地,VP培地の3つに同時に接種してみる.
前号でのべた乳糖非分解の菌について,さらに確認同定のための検査をすすめるわけであるが,これには,生化学的性状の検査と血清学的性状の検査がある.腸内細菌科の菌の生化学性状の検査は,ほかの菌にくらべ精細をきわめ大きく分けて(1)糖分解,(2) IMViC系の検査,(3)硫化水素産生能,(4)チトクロームオキシダーゼの有無,(5)尿素分解,(6)フェニールアラニンデアミナーゼの有無,(7)アミノ酸脱炭酸酵素の有無,(9) KCN利用能,(10)ゼラチン液化能などがある.これらのすべてを行なうことは,一般の検査室ではできないし,また前々号でのべたKauffmann分類の14のGenusのどれかまできめるためには上記の検査が必要であるが,大まかな分類を行なうには必要ではない.たいていは,上記の(1)—(3)時に(4)—(7)を行なうだけで十分である.糖分解で重要な糖は,ブドウ糖,乳糖,白糖,マンニットの4つであり,これでだいたいの目的は達せられる.実際に検査を行なうには,疑わしい集落をTSI寒天培地,SIM寒天培地,VP培地の3つに同時に接種してみる.
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