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文献詳細

雑誌文献

臨床検査13巻7号

1969年07月発行

文献概要

1ページの知識 病理

組織の染色(1)

著者: 川井一男1

所属機関: 1国立大阪病院研究検査部

ページ範囲:P.591 - P.591

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1.核の染色
 薄切切片をスライドグラスに貼付し,そのまま透明化しても細胞組織の詳細は判定できず.光学顕微鏡による観察には適しない.位相差顕微鏡によれば細胞の構造を見ることができるが,視野が暗い点や観察法に習熟を要するので一般的ではない.視覚によって細胞組織の成分や構造を判別するには,色素を用いて染めわけるのが最も便利であり,このために細胞組織の染色技術が広く発達してきた.
 近代細胞学が細胞の重要成分は核と細胞質であることを示してより,核を区別する方法として1865年ベーメルがヘマトキシリン染色を提唱して以来,多くのヘマトキシリン染色法が発表された.ヘマトキシリンは組織学や細胞学においてはメチレン青(および誘導体)とともに,最も優れた基本的な核染色剤となっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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