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文献詳細

雑誌文献

臨床検査13巻9号

1969年09月発行

文献概要

1ページの知識 生化学

酸化還元法

著者: 永井諄爾1

所属機関: 1九大・中検

ページ範囲:P.765 - P.765

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 前号で血清カルシウムの定量に関連して,キレート滴定法の原理を説明した.血清カルシウム定量の標準法として,現在なおClark-Collip法が生命をもっている.この方法はカルシウムをシュウ酸カルシウムとして沈殿させ,このカルシウム塩のシュウ酸を過マンガン酸カリウムで滴定し,酸化に清費された過マンガン酸カリウムの量からシュウ酸の量,したがってカルシウムの量を求めるのである.このように酸化剤を使って滴定する方法は,同じ滴定であるにしても中和法とは反応様式が違う.中和法では分子,イオンまたは原子団の原子価に変化が起こらないが,酸化剤で滴定するときは,原子の増減,すなわち原子価の変化が起こるのである.
 酸化剤の標準液を使って滴定する方法を酸化滴定法と名づけるのに対し,還元剤の標準液を使って滴定する方法を還元滴定法という.しかし,原理は同じであるから,両者を合わせて酸化還元法と名づける.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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