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文献詳細

雑誌文献

臨床検査14巻11号

1970年11月発行

文献概要

グラフ

組織と病変の見方 肉眼像と組織像の対比—呼吸器とその病変(1)

著者: 金子仁12

所属機関: 1国立東京第一病院病理 2日医大・老人病研究所

ページ範囲:P.1049 - P.1052

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呼吸器の代表は肺臓である.正常肺は軟らかいし,水に入れると浮かぶ.これは肺胞の中に空気がはいっているからである.肺胞は肉眼でも小穴として見える.うっ血が続くと肺胞中隔の毛細血管が拡張して,中から漿液が肺胞の中にはいる.これが水腫である.
うっ血水腫が長く続くと肺炎が起こりやすい.肺炎になると,肺胞腔の中に好中球,漿液,線維素がいっぱいはいるので,肉眼的に肺胞が見えないし,非常に硬い.肺炎のときに強い呼吸困難の起こるのはこのためである.肺胞内に空気のない状態が無気肺で,空気がはいりすぎて肺胞中隔の破綻したのが肺気腫である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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