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文献詳細

雑誌文献

臨床検査14巻11号

1970年11月発行

文献概要

1ページの知識 血液

線維素溶解現象測定法

著者: 糸賀敬1

所属機関: 1長崎大・中検

ページ範囲:P.1094 - P.1094

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 傷害を受けた組織,あるいは血管に形成された血液の凝塊は,通常数日間で崩壊し,肉芽組織や線維によっておき替えられるか,完全に溶解してしまう.
 このように凝血塊が溶解してしまう現象を線維素溶解現象といい,主役を演ずるのは線維素溶解酵素(プラスミン)である.この線溶現象に関与する諸因子は図に示すとおりで,かなり複雑であり,その測定法も数多く実施されている.生体内では絶えずフィブリノーゲンから転化されたフィブリンを,プラスミンが溶解しているため血栓症が惹起されないわけで,もし余剰のプラスミンが出現した場合は,抗プラスミン因子により不活性化される.その平衡状態がくずれた場合,線溶現象が亢進し,出血傾向が発現する.重篤なショック,急性細菌感染症,X線照射,各種悪性腫瘍,やけど,大手術などで線溶現象は亢進する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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