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文献詳細

雑誌文献

臨床検査14巻11号

1970年11月発行

文献概要

1ページの知識 細菌

菌交代現象と菌交代症

著者: 土屋俊夫1

所属機関: 1日大・臨床病理

ページ範囲:P.1096 - P.1096

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 ヒトの粘膜面,皮膚面には生後すぐに住みこんだ細菌がいる.からだの部位によって1種類のこともあれば数種類のこともあり,いつその部を培養してもほぼ同じ菌が同じような割合で証明される.これを常在菌といっている.常在菌の中には病原的に働くものも多いが,常在菌の生体に対する役割はまだ不明のことが多く,常在菌がそのままでその部位にいるかぎりでは生体に対して無害である.
 さて,化学療法剤の発見は細菌感染症に対する考え方を一変させてしまった.それは化学療法のすばらしい治療効果により,ほとんどの細菌感染症は治療が可能になったことである.遠い過去において伝染病の流行により多数の人が死亡し,死体置場の死津が山を築いた時代があったことを書物で読むと,われわれは別世界にいるような錯覚をうける.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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