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文献詳細

雑誌文献

臨床検査14巻3号

1970年03月発行

文献概要

抗原抗体反応・3

抗原と抗体の結合する部分

著者: 松橋直1

所属機関: 1東大・医科研アレルギー部

ページ範囲:P.226 - P.227

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 抗原が抗体と結合する部分を,抗原の決定基または決定群と呼んでいる.抗原となるのはタンパク,脂質,多糖体のどれでもよいわけであるが,抗体と結合する部分は案外小さなものである.アミノ酸ぐらいの大きさの分子が数分子つらなって作られる化学的な立体構造が,その抗原物質の免疫学的血清学的な特微である"特異性"を決定している.しかし,タンパクのような大きな分子になると,どのアミノ酸の配列のところが,抗原決定基になっているかを決めることはなかなかむずかしい問題である.
 その抗原決定群の位置を決めるために,抗体グロブリンをいくつかのポリペプチドに解体したように,酵素処理,還元分解などが行なわれるのである.タンパク質を小さなペプチドに切ってしまうと,立体構造が変化してしまったり,抗原決定基の部分がちょうど切れてしまったりして,思うような結果を出すことができない.そこで考えられたのが,化学構造がわかっている簡単な化合物を,タンパク質に化学的に結合することである.たとえば,p—アルサニル酸(図1)のアミノ基をヂァゾ化してタンパク質と反応させると,タンパク質のチロジン,フェニールアラニンのベンゼン核やヒスチジンのイミデイアゾール核にヂアゾ結合(図1)される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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