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文献詳細

雑誌文献

臨床検査14巻3号

1970年03月発行

文献概要

1ページの知識 生理

—正常波形や記録のなりたちと生理的基礎知識・1—ベクトル心電図

著者: 森博愛1

所属機関: 1九大・中央診療部

ページ範囲:P.274 - P.274

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1.ベクトル心電図とは
 心起電力は大きさと方向を持っているので,ベクトルとして表わされるが,立体である心臓は,その電気変化も当然,立体的な変動を示す.立体的な心起電力ベクトルの左右(X軸),上下(Y軸),および前後(Z軸)方向の成分を取り出す誘導がVCGの誘導法で,これらのX,Y,Z誘導はVCGの構成スカラー心電図と呼ばれる.図1ではX誘導とY誘導をブラウン管を用いて合成するとVCG前面図が得られ,同様にY誘導とZ誘導で側面図,X誘導とZ誘導で水平面図が得られる.このように,X,YおよびZ誘導の誘導の誘導軸が,解剖的に直交するように電極を配置した誘導を正六面体誘導(cubesystem)と呼ぶが,最近では電気的意味での真の直交3軸成分を取り出すことができるように,抵抗網を用いて補正した誘導法が広く用いられるようになった.この種の誘導法は補正直交軸誘導,または単に直交軸誘導(orthogonal lead)と呼ばれ,Frank誘導はその代表的なものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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