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文献詳細

雑誌文献

臨床検査14巻4号

1970年04月発行

文献概要

抗原抗体反応・4

抗原抗体反応の最適比

著者: 松橋直1

所属機関: 1東大・医科学研究所アレルギー部

ページ範囲:P.330 - P.331

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 抗原と抗体は,前に述べたようなしくみで結合すると考えられている.そして,抗原がタンパク質のような分子で溶解性であるときは,抗原抗体反応の結果,沈降物ができる.日常検査でみなれているものでは,CRP検査がその代表的なものである。抗原がもっと大きく粒子状のものであると,この場合は,抗原抗体反応の結果,凝集塊ができる.日常検査で経験するのは,ABO型の血液型検査やWidal反応などである.したがって,沈降反応も凝集反応も本質的には同じものであると老えられている.
 たとえば,ウイルス粒子が対応する抗体との間に作る沈降物を電子顕微鏡で観察すると,ちょうど赤血球が凝集したような像がみられる.もっともこの場合は,特殊な染色法(negative staining)によれば,1個のウイルス粒子に,抗体は片側の結合基で結合し,他方の結合基で別のウイルス粒子と結合して,抗体が2個のウイルス粒子の間を橋渡ししていることがわかる.同じような反応が次から次へと起こり,肉眼でもわかるような沈降物ができるのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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