文献詳細
文献概要
技術解説
白血病細胞および腫瘍細胞の染色体検査法
著者: 山田清美1
所属機関: 1東医歯大遺伝病研究施設染色体研究室
ページ範囲:P.659 - P.663
文献購入ページに移動 近年,細胞学上の著しい技術的進歩により,人類の染色体の数と形態を正確に分析することが可能となり,1959年以来,正常人および先天性疾患患者などの染色体について,多くの広範な知識が急速に深められ蓄積された.さらに,正常体細胞の染色体についての知識を基礎として,また,新しい技術を採用することにより,人類の白血病細胞および腫瘍細胞における染色体研究も信頼度の高い解析が可能となり,今日まで多くの注目すべき研究がなされている.これまでの研究の成果によると,白血病細胞および腫瘍細胞には,染色体の数的あるいは構造的変化を伴った異常が高頻度に認められることが明らかとなり,細胞の悪性化やその増殖や維持に関連して,染色体の果たす役割の重要性が実証されている.
一方,染色体検査による結果が,実際に臨床面で,白血病の診断に活用されたり,また,細胞が腫瘍性であるか否かを判定するうえに役だつことが明らかとなり,その有用性が認められている.たとえば,慢性骨髄性白血病(CML)の患者にはPhiladelphia染色体(Ph1染色体と略し,21番めの染色体の長腕が約1/2欠失したもの)と呼ばれるこの疾患に特有の異常染色体が認められ,Ph1染色体の存在がCMLと診断するうえに重要なものとなっている.また,一般に腫瘍細胞の染色体構成は正常細胞のそれと異なっているため,細胞の染色体構成を調べることにより,腫瘍性であるか否かを判定することが可能である.
一方,染色体検査による結果が,実際に臨床面で,白血病の診断に活用されたり,また,細胞が腫瘍性であるか否かを判定するうえに役だつことが明らかとなり,その有用性が認められている.たとえば,慢性骨髄性白血病(CML)の患者にはPhiladelphia染色体(Ph1染色体と略し,21番めの染色体の長腕が約1/2欠失したもの)と呼ばれるこの疾患に特有の異常染色体が認められ,Ph1染色体の存在がCMLと診断するうえに重要なものとなっている.また,一般に腫瘍細胞の染色体構成は正常細胞のそれと異なっているため,細胞の染色体構成を調べることにより,腫瘍性であるか否かを判定することが可能である.
掲載誌情報