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文献詳細

雑誌文献

臨床検査15巻12号

1971年12月発行

文献概要

特集 酵素検査法 生化学

リポタンパクリパーゼ Ljpoprotein lipase

著者: 柴田久雄1

所属機関: 1国立東京第二病院研究検査科

ページ範囲:P.1173 - P.1177

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いとぐち
 臨床検査に携わっていると,ときに血清が白く濁っているものに出合うことがある.この中には何か食べたあとに誤って採血したものが含まれている.このにごりは食事中の脂質が血中に流れることによって生じたものである.
1943年,Hahnはイヌにヘパリンを注射すると,このにごりが消えることを見いだした。これはその作用のとおりClearing factorと当初命名されていたが,その後にこれがヘパリンを注射されたことによって酵素活性が高まり,これによって血中のカイロミクロンや低比重リポタンパク中のトリグリセリドを水解して,グリセリンと脂肪酸に分解するためであると説明された.しかし消化液中や細胞中にあるリパーゼとは異なり,トリグリセリド自体には作用せずタンパクと結合したトリグリセリドのみに作用する.これをLipoprotein lipase(LLと略す)と命名した(図1,表1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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