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文献詳細

雑誌文献

臨床検査15巻12号

1971年12月発行

文献概要

特集 酵素検査法 生化学

フマラーゼ Fumarase

著者: 服部信1

所属機関: 1国立がんセンター病院内科

ページ範囲:P.1209 - P.1211

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いとぐち
 この酵素は,イソクエン酸脱水素酵素のおりに示した図のフマール酸よりレリンゴ酸に到る反応(図1)を触媒する酵素である.古く1920年にすでにThunbergにより研究されている.これはKrebsのサイクルの中で,クエン酸よりcisアコニット酸にいき,またイソクエン酸に進む過程とともに,水が反応の出納に関係するステップである.フマール酸から,L—リンゴ酸になるおりの立体異性の点は,重水を用いてかなり明らかにされている.pHとか温度が異なると,これの反応平衡はやや異なる.温度が高くなると,反応はL—リンゴ酸が多くなる方向に動く.本酵素はMassayにより1951年にブタの心臓より結晶化された.
 本酵素の分子量は2×105.本酵素とフマール酸との結合はATPの存在で低下するが,Mg++イオンで回復する.本酵素は4つのsubunitよりなり,これは酵素作用はない.基質とおくとsubunitは再結合し完全に活性をもどす.立体異性の面を示すと,図2のようになる

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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