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文献詳細

雑誌文献

臨床検査15巻12号

1971年12月発行

文献概要

特集 酵素検査法 生化学

アミラーゼ Amylase

著者: 関知次郎1

所属機関: 1名市大・中検

ページ範囲:P.1260 - P.1266

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いとぐち
 急性でショックを伴う腹痛があった時,穿孔性腹膜症,結石症,腸嵌頓,膵壊死などいずれも緊急なる処置を要する場合が多い.この時にアミラーゼを測定すれば,膵に問題があるか否かをきわめて容易に判定しうる.それゆえにまた緊急検査としてもアミラーゼ検査は欠かせないものである*1).消化酵素を産生することをその主要な役割の1つとする膵は,アミラーゼ以外にも主要三大栄養素に対比してタンパク分解酵素,脂肪分解酵素を大量に作っている.それなのにアミラーゼが検査として最もよく使われる理由を考えてみよう.
 タンパク水解酵素はこれを産生する細胞をも分解しかねないが,一般にはプロ体(チモーゲン)として産生され,一定の順で活性化されるし,抑制作用をもつものも生体中には同時に存在することが多く,自己消化を防いでいるので血中で測るには難点が多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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