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文献詳細

雑誌文献

臨床検査15巻12号

1971年12月発行

文献概要

特集 酵素検査法 病理

グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ Glutamic oxaloacetic transaminase(GOT)

著者: 佐々木光雄1

所属機関: 1熊本大・病理

ページ範囲:P.1314 - P.1315

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GOTの作用と組織化学への応用
 GOTはアミノ基転移酵素の1つで,α-ケトグルタール酸のアミノ基をL-アスパラギン酸に転移させ,L-グルタミン酸とオキザロ酢酸とを生ずる反応を触媒する.本酵素が生体のアミノ酸代謝に重要であるのみならず,臨床的には心筋硬塞や肝障害時の血清GOT値の変動が,それらの疾病診断に必須のものとなっていることは周知のとおりである.
 本酵素の組織化学的証明は,ジアゾニウム塩を用いてアゾ色素法で証明する方法を考案した岸野の方法が最初で,その後今日まで若干の改良が加えられている.この証明法の基本的な原理は,基質であるL-アスパラギン酸とα-ケトグルタール酸からGOTの作用で生じた酵素反応産物L-グルタミン酸とオキザロ酢酸のうち,オキザロ酢酸が容易にジアゾニウム塩と結合してオキザロ酢酸-ジアゾニウム化合物を形成して有色の沈殿を生ずることによる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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