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文献詳細

雑誌文献

臨床検査15巻13号

1971年12月発行

文献概要

Senior Course 生化学

レニンとアンジオテンシン

著者: 石戸谷豊1

所属機関: 1東北大中検

ページ範囲:P.1469 - P.1469

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 アンジオテンシン(以下AT)は現在知られている昇圧物質の中で,最も昇圧作用が強力で,ノルアドレナリンの数倍の活性がある.腎糸球体の輸入動脈壁にある傍糸球体細胞よりレニン(Rn)という酵素が分泌され,それが血漿中のα2—グロブリン分画の中にあるレニン基質(ないしアンジオテンシノーゲン)に働いて,10個のアミノ酸よりなるアンジオテンシンⅠ(ATⅠ)を遊離させる.ATI自体は昇圧活性を有回しないが,血中にあるコンバーテイング・エンザイム(肺に最も多く存在する)により末端の2個のアミノ酸(フェニールアラニン,ロイシン)を失って,すなわち8個のアミノ酸になったアンジオテンシンⅡ(ATⅡ)になる.このATⅡが昇圧作用を有するのである.
 自然のATにはウマ型とウシ型の2つがあり(図),ヒトのそれはウマ型であることが確かめられている.ATは血中,肝,腎などに多く含まれているアンジオテンシネース(ATnase)により分解されてしまう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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