icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査15巻3号

1971年03月発行

文献概要

技術解説

手術室における検査技師の役割

著者: 石山陽事1 江部充1 本間伊佐子1

所属機関: 1虎の門病院臨床生理検査部

ページ範囲:P.239 - P.244

文献購入ページに移動
はじめに
 近年手術中における患者管理は麻酔医によって行なわれているが,血圧測定,呼吸様式の観察,および瞳孔収縮,散大の程度などは重要な指標である。最近の医学の急速な進歩と高度な医療装置の開発に伴い,開頭,開心,臓器移殖などの手術も複雑な条件下で行なわれるようになった.したがって従来の麻酔医によるすべての管理は困難となり,当然生理検査室の助力が必要となってきた.すなわち手術室では医師—看護婦—検査技師の3者が強力な連携を保ちつつ仕事を進めなければならない,したがって検査技師は検査室とは異なった手術室という環境のもとでの仕事であるから,手術に対しての臨床的な知識をはじめ,滅菌,予防およびME機器とその安全性について十分な理解と知識をもたなくてはならない.
 現在手術室で使用している検査および治療機器は,特殊なものを除いては心電計,心拍計,血圧計(動静脈カテーテルを含む),脈波計,脳波計,直腸食道温度計,除細動装置,ペースメーカーおよびこれらに付属したブラウン管,記録計などがあるが1.2),これらはすべて同時に使用されるのではなく,手術の必要性に応じて最小限に使用することが望ましい.最近ではこういった手術室用のモニターとして生体情報を同時記録する多用途監視装置をそろえる病院が多くなった.しかし手術室という特殊条件下で使用する場合には,むやみに装置を複雑にしたり大型化したりすることは,手術室の機能面と人体への安全性の点からいっても避けなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?