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研究
腎性尿タンパク分画について
著者: 加藤忠雄1
所属機関: 1市立輪島病院検査科
ページ範囲:P.285 - P.288
文献購入ページに移動緒言
尿タンパクが臨床的に問題になるのは,腎前性タンパク尿と腎性タンパク尿であり,換言すれば,尿タンパクの質的あるいは量的異常であるともいえよう.
腎性尿タンパクについていえば,タンパクの基底膜の透過と尿細管における非特異的な再吸収が,各種疾患によってそれぞれ特徴があり,逆に尿タンパクの分画から基底膜の損傷を推論しうるのではないかと考えられ,また,疾患によって,より明確な病態の把握にもなると考えられる.しかしながら,血清タンパン電気泳動分析に比し尿タンパクのそれは,あまり一般化されていない.このことは市場1)も指摘するように,尿ではタンパク濃度が著しく低く,尿タンパクの泳動像に特徴的変化をきたす疾患が少なく,したがって臨床的意義づけがむずかしいこと,また正常尿のタンパク分画像について確立されたパターンがないため,比較ができないことなどがその原因であろうと思われる.
尿タンパクが臨床的に問題になるのは,腎前性タンパク尿と腎性タンパク尿であり,換言すれば,尿タンパクの質的あるいは量的異常であるともいえよう.
腎性尿タンパクについていえば,タンパクの基底膜の透過と尿細管における非特異的な再吸収が,各種疾患によってそれぞれ特徴があり,逆に尿タンパクの分画から基底膜の損傷を推論しうるのではないかと考えられ,また,疾患によって,より明確な病態の把握にもなると考えられる.しかしながら,血清タンパン電気泳動分析に比し尿タンパクのそれは,あまり一般化されていない.このことは市場1)も指摘するように,尿ではタンパク濃度が著しく低く,尿タンパクの泳動像に特徴的変化をきたす疾患が少なく,したがって臨床的意義づけがむずかしいこと,また正常尿のタンパク分画像について確立されたパターンがないため,比較ができないことなどがその原因であろうと思われる.
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