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文献詳細

雑誌文献

臨床検査15巻3号

1971年03月発行

文献概要

Senior Course 生化学

血漿タンパク

著者: 石戸谷豊1

所属機関: 1東北大・中検

ページ範囲:P.305 - P.305

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1.測定法—特に電気泳動法
 血清総タンパクの測定には屈折計が広くかつ安易に用いられているようである.しかしこれは,溶液の屈折率(R)が溶質の濃度と比例することを利用したものであるので,屈折率の強い物質(たとえば脂質)を多量に含んでいる血清(たとえばネフローゼ)では実際の総タンパク量よりかなり高い値を報告することになる.このような場合には,RによらないKieldahl法,Biuret法などによって求めなければならない.また市販屈折計(精度0.1-0.2g/dl)は会社独自で,あらかじめ血清タンパク濃度とRとの関係を求めて,直読目盛りをつけているので製品によって,同一試料でも差があることを心得ておくのがよい.操作のうえで特に光源(陽光,電燈,螢光)を一定にすることがたいせつでCV:10%以内が望ましい.簡単な機械だけに十分意を用いて選択しなくてはならない.
 血清タンパク分画測定はセルローズ・アセテート電気泳動法が一般に普及した.実施法についいては電気泳動学会の標準法がある.一般に電気泳動法は機械的条件に大きく影響されやすいので,まず使用する膜に合った定電流装置,泳動箱,デンシトメーター(光学的密度直線性のもの)などを選択する必要があり,これを誤ると正しい値を出すまでに長期間むだな努力を費すことになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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