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Senior Course 病理
症候と病理組織検査(4)血尿
著者: 三友善夫1
所属機関: 1東医歯大・病理
ページ範囲:P.413 - P.413
文献購入ページに移動 血尿は腎から尿道までの尿路のほとんどすべての疾患に見られるほかに,全身性疾患の1症候として表われ,また尿路以外の疾患からも続発的に生じる.その性状から血尿,血膿尿,血乳糜尿に分かれ,出血部位から腎性,尿管性,膀胱性,尿道性に区別され,出血の程度から肉眼的と顕微鏡的に大別されている.内科,小児科的の腎疾患には顕微鏡的血尿が多く,泌尿器科的には膀胱,尿道疾患による肉眼的血尿の頻度が高い(図).
血尿の性状や出血部位の確定のために行なわれる病理組織検査は,経時的に病変の観察できる針生検と,治療的な役割を果たしている手術材料の検索ではその意味が異なっている.しかし大きさに限界のある針生検の切片が必ずしもいつも腎病変のすべてを代表しているわけではなく,病変の推測にとどまる場合も少なくない.手術材料でも遊走腎,特発性腎出血の場合には形態的な変化は観察されないことが多い.
血尿の性状や出血部位の確定のために行なわれる病理組織検査は,経時的に病変の観察できる針生検と,治療的な役割を果たしている手術材料の検索ではその意味が異なっている.しかし大きさに限界のある針生検の切片が必ずしもいつも腎病変のすべてを代表しているわけではなく,病変の推測にとどまる場合も少なくない.手術材料でも遊走腎,特発性腎出血の場合には形態的な変化は観察されないことが多い.
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