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研究
超微量のためのガラス管採血と電解質値の検討
著者: 伊藤佑士1 山下文雄1 津川信1 林真夫1 船津多賀子1 高崎好生1 小池茂之1 吉浦千尋1 屋形倭子2 山崎晴一朗2
所属機関: 1久留米大小児科 2久留米大中検
ページ範囲:P.478 - P.482
文献購入ページに移動低出生体重児未熟児では少量の採血と思っても,成人に換算すれば,相当大量の採血となる.体重1.5kgとすれば,1mlの採血は,おとなの40ml採血に相当し,5mlは200mlに相当する(図1).したがってできるだけ少ない試料で分析することは,小児科医(内科,外科ほか)の義務であり,小児の権利でもある.すでに超微量定量法については,斎藤正行,丹羽正治,柴田進,佐々木匡秀1-3)らが先駆者として努力をしているが,現在の大学を含む一般総合病院の中央検査室では,おとな中心の微量法程度にとどまっており,小児科医でありながらこのことを全く意に介せず,医原病としての貧血を作っている場合がある.われわれは,新生児でビリルビン,血糖,電解質,酸塩基など代謝試験の重要性を強調し,そのbatteryの項目決定と,それらの超微量による正確簡便な測定法を検討しているものであるが4),ここでは超微量測定法の基礎として,採血の各種条件を検討した結果を報告する.
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