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文献詳細

雑誌文献

臨床検査15巻5号

1971年05月発行

文献概要

Senior Course 血液

出血時間(Bleeding time)

著者: 鈴木弘文12

所属機関: 1神奈川衛生短大 2東医大・臨床病理

ページ範囲:P.514 - P.514

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1.原理と意義
 皮膚を穿刺して毛細血管に小さな傷をつけ,その出血が化学的あるいは物理的な操作を加えずに自然に止血するまでの時間を測定する検査法である正したがって出血時間は血小板血栓(白色血栓)形成の時間,状態を測定する検査法といえる.出血時間はおもに血小板機能(特に粘着能),血小板数,血管機能あるいは組織液などが関与し,これらのどこかに異常がある場合には延長値を示す.
 一方,凝固因子機能は出血時間にはあまり影響しない調したがって凝固因子欠損に基づく出血性素因の場合は出血時間は正常域の値を示す.しかし2次出血時間(secondary bleeding time)は凝固血栓(赤色血栓)形成の状態が影響するため凝固因子欠損,特に血友病などの場合は異常値が認められる.また,von Willebrand病(血管性血友病,偽血友病)は第Ⅷ因子欠乏と出血時間の延長が認められる特異な疾患である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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