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研究
FTA-ABSについて
著者: 河瀬正晴1 原功1
所属機関: 1姫路赤十字血液センター
ページ範囲:P.605 - P.608
文献購入ページに移動はじめに
梅毒血清反応として,従来からカルジオライピン1)を抗原とした各種反応が行なわれてきた.しかし,カルジオライピンはトレポネーマ・パリーダムとは無関係のリン脂質であるため,梅毒以外の疾患に際してもかなりの率で陽性を呈する.この偽陽性反応は生物学的偽陽性反応(BFP)として古くより知られていた.この問題を解決するにはトレポネーマ・パリーダムそのものを抗原とする反応を採用することが最善の方法であることは明白である.
そこでわれわれはTP抗原を使用した反応として,TPHA2,3)とFTA-ABS4-7)を採用した.特にTPHAは術式が簡単で特別な機械なども不要であるため,日常検査として広く採用されている.反面,FTA-ABSは螢光顕微鏡8)を必要とし,術式も複雑であるため,日常検査として広く採用されるにはぼお多くの問題を残している.
梅毒血清反応として,従来からカルジオライピン1)を抗原とした各種反応が行なわれてきた.しかし,カルジオライピンはトレポネーマ・パリーダムとは無関係のリン脂質であるため,梅毒以外の疾患に際してもかなりの率で陽性を呈する.この偽陽性反応は生物学的偽陽性反応(BFP)として古くより知られていた.この問題を解決するにはトレポネーマ・パリーダムそのものを抗原とする反応を採用することが最善の方法であることは明白である.
そこでわれわれはTP抗原を使用した反応として,TPHA2,3)とFTA-ABS4-7)を採用した.特にTPHAは術式が簡単で特別な機械なども不要であるため,日常検査として広く採用されている.反面,FTA-ABSは螢光顕微鏡8)を必要とし,術式も複雑であるため,日常検査として広く採用されるにはぼお多くの問題を残している.
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