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文献詳細

雑誌文献

臨床検査15巻7号

1971年07月発行

文献概要

グラフ

早期胃癌—その検査法

著者: 高木国夫1

所属機関: 1癌研病院外科

ページ範囲:P.633 - P.640

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 現今では,胃の検査法とは,X線,内視鏡(胃カメラ,ガストロファイバースコープ;略してGTF),細胞診,胃生検があって,これらの検査法を用いて胃内の徴細な病変を発見し,その病変の組織診断も可能となってきている.胃癌には大きく分けて,早期の癌と進行癌があって,早期癌とは,癌が胃内面の粘膜層および粘膜下層に止まるもので,胃を切除したあとの5年生存率が90%と,きわめてよい治療成績をおさめている.他方,進行癌では,手術後の5年生存率が30-40%と低い.わが国では早期胃癌の研究が検査する医師,外科医,病理学者との密接な連絡のうえにたって,世界の最先端をいく成果をおさめている.特に,早期胃癌がいかなる形態をとっているかについて,肉眼分類(6ページめ別表)が作られて,広く用いられている.
 早期胃癌を発見する検査には,X線検.査(特に二重造影法),内視鏡によつて胃内の微細な病変を発見しその肉眼的形態を詳細に検討して,さらにその病変から,ファイバースコープを用いて,直接眼で見ながら,組織を採取する胃生剣によって,癌か.否かの診断を決めることができる.細胞診け,胃生検の用いられる以前は,癌の診断として有用だったが,ファイバースコープを用いて胃内のあらゆる所から組織がとれるようになり,胃生検が人きい比重を占めるようになった.早期胃癌の症例を供覧して,参老に供したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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