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文献詳細

雑誌文献

臨床検査15巻9号

1971年09月発行

文献概要

グラフ

組織と病変の見方 肉眼像と組織像の対比—循環器とその病変(2)

著者: 金子仁12

所属機関: 1国立東京第一病院病理 2日医大・老研基礎部

ページ範囲:P.853 - P.856

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心疾患として重要なものに心筋硬塞がある.通常インファルクトと呼ぶのはこれである.冠状動脈の一部が硬化症のために閉塞され,支配区域の心筋に壊死の起こったものである.古くなると瘢痕で置きかえられ,白く硬くなる.心筋はひとたび壊死に陥るとほとんど再生せず,替わりに結合織で補充され,ついに瘢痕となるのである.
大動脈の病変のうち最も多いのは大動脈硬化症である.主として内膜に病変があり,脂質,ことにコレステロールがたまり,肉眼的に黄色く見え,組織学的にはコレステリンの針状結晶としてヌケて見える.とぎに石灰沈着が起こる.動脈瘤は大動脈硬化症や梅毒性大動脈炎のとき,往々大動脈に起こるが,ここに載せたのは脳底動脈動脈瘤である.これは先天性に起こるといわれている.破裂すると広範なクモ膜下出血を起こして死亡する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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