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文献詳細

雑誌文献

臨床検査15巻9号

1971年09月発行

文献概要

RI検査の基礎・3

放射線の物理的作用

著者: 吉川春寿1

所属機関: 1日本放射性同位元素協会

ページ範囲:P.900 - P.904

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放射線測定の原理
 放射能の強さを測定したり,放射線の量を測定したりするには,荷電粒子が物質中を通るとき,その飛跡にそって原子や分子が電離されたり励起されたりする現象を利用するのが,一般に行なわれる方法である.γ線やX線のような電磁波(光子)は光電効果,コンプトン散乱,電子対生成によって2次電子を生ずるので,これによって検出,測定をする.
 気体に対する電離作用を利用するのが最もよく用いられる方法である.気体の中を荷電粒子が通るとイオン対ができる.そこに電圧をかけておくと,各イオンは両極へ向かって運動を起こして電離電流を生ずるから,これを測定する.これが電離箱(ionization chamber)による測定である.電離電流は一般に非常に小さいので高抵抗と電位計を用いて測るか,あらかじめ荷電された電位間に流れる電離電流による電位の低下を検電器で知ることによって,放射線の強さを測ることができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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