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文献詳細

雑誌文献

臨床検査15巻9号

1971年09月発行

文献概要

Senior Course 血液

部分トロンボプラスチン時間(PTT)

著者: 鈴木弘文1

所属機関: 1神奈川衛生短大,東医大・臨床病理

ページ範囲:P.938 - P.938

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1.測定原理と意義
 被検血漿に十分量の,血小板第3因子作用を有するリン脂質(部分トロンボプラスチン,不完全トロンボプラスチン)と適量のM/40塩化カルシウム液を添加し凝固時問を測定することにより,内因系凝固機序に関与する凝固因子(血小板第3因子は除く)の異常を総合的にスクリーニングする方法である.この方法は1953年Langdellらにより考案されたものであるが,その後多くの研究者により検討・改良が行なわれ,今日では最もたいせつな凝固検査法の1つとなっている.
 PTTが異常を示すのは次の場合が老えられる.(1)第XII,IX,IX,VIII,X,V,IIの各凝固因子の異常(量的もしくは質的),(2)線維素原(第I因子)の異常(量的もしくは質的),(3)循環抗凝血素の増加,(4)プラスミンの異常亢進,(5)消費性凝固障害の存在,(6)抗凝固薬の投与,などである.しかしPTTは第VII,X+III因子の異常の場合は異常値を示さず,また,血小板の異常,毛細血管の異常に起因する出血性疾患の検索には不適当である.一方,血友病の検索には軽症型,重症型を問わず他のスクリーニング法と比してきわめてすぐれている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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