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文献詳細

雑誌文献

臨床検査16巻1号

1972年01月発行

文献概要

追悼文

Tiselius教授の死を悼んで—‘タンパク質の分離’を貫く

著者: 平井秀松1

所属機関: 1電気泳動学会

ページ範囲:P.55 - P.55

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 Arne Tiselius教授は有名なティゼリウス電気泳動法のそのTiseliusである.今日,臨床検査に欠くことのできない電気泳動法のその大元の創始者であり,血清タンパクをアルブミン,α—,β—,γ—グロブリンに分画,命名したその彼である.1969年10月あんなに元気で初めての日本を訪れ,3週間あまりの滞在を心から喜んで帰っていかれた教授の追悼を,今こうして書かねばならぬことを本当に悲しく思う.
 彼をかくも強く私に印象づけたのは,彼の非凡な業績よりはむしろ透徹したその人となりなのである.彼こそは人間とは何かということを本当に知っていた人であった.それゆえに彼の謙譲は,真理の前に人がいかに小さなものであるかを体でもって体得したその謙譲さであった.生涯を1つのことに集中しえた人のみが到達しうる境地にいた人である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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