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研究
人生検リンパ節の酵素組織化学—組織処理法の影響について
著者: 鈴木裕1
所属機関: 1慶大病理学教室
ページ範囲:P.76 - P.80
文献購入ページに移動 人体生検材料を使用して酵素組織化学的検索を行なう場合,ドライアイス・アセトン新鮮凍結切片を作り,このままかまたは適当な固定液で短時間固定後,酵素反応を行なう方法が普遍的である1,2).しかしこの方法は固定による失活の激しい一部の酵素は別として,すべての酵素の検出を,このような,新鮮凍結切片で行なうことは,組織構造の保存度や酵素の拡散などの点からいろいろと問題があると思われる3).
すでに血液塗抹標本による酵素組織化学の臨床への応用は,朝永ら4)を始め諸所で試みられてきているが,実質臓器の生検への酵素組織化学の応用の要請もかなり高まってきている.人体生検例では,数多くの症例の比較対照が,観察の主眼点になるゆえ,取り出した組織の処理,反応条件などは,各個差の少ない,安定したものであることが強く要望される.この意味から,著者は通常行なわれてきた生検例の酵素組織化学の組織固定法に再検討を加え,現在のところ最良と思われる方法をここに示してみたいと思う.
すでに血液塗抹標本による酵素組織化学の臨床への応用は,朝永ら4)を始め諸所で試みられてきているが,実質臓器の生検への酵素組織化学の応用の要請もかなり高まってきている.人体生検例では,数多くの症例の比較対照が,観察の主眼点になるゆえ,取り出した組織の処理,反応条件などは,各個差の少ない,安定したものであることが強く要望される.この意味から,著者は通常行なわれてきた生検例の酵素組織化学の組織固定法に再検討を加え,現在のところ最良と思われる方法をここに示してみたいと思う.
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