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人工透析と臨床検査
著者: 杉野信博1
所属機関: 1日大・第2内科
ページ範囲:P.1079 - P.1082
文献購入ページに移動 人工透析は腹膜・血液透析を両輪として急性および慢性腎不全の治療に普及してきた.前者の特徴は透析が緩徐であり,患者の血行動態に対する負荷も少なく,透析による不平衡症状(急激な血中尿素の低下による脳血液関門を境とする浸透圧不平衡に基づく中枢神経症状)を起こさず,また操作も簡単で安価である利点がある.しかし欠点としては腹部手術直後,腹膜癒着,重篤な肺疾患を合併している患者などでは不可能であり,また透析の効率が低いため重症患者で十分なコントロールを行なうことがむずかしい点,長期透析に不向きである点などがある.また後者の特徴は透析効率がよく,長期透析に適しているが,患者の血行動態への負担が大きく,重症患者では血圧不安定のために危険な場合がある。しかし何よりも高価な治療であり,腎不全患者のすべてを血液透析の対象とするには問題がある.
図1は腹膜,血液透析の効率を尿素,クレアチニンの除去率より比較したものである.
図1は腹膜,血液透析の効率を尿素,クレアチニンの除去率より比較したものである.
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